走れオレ|私小説

私小説を書きました。

2023年12月4日、立命館大学学園祭 OIC祭典 総合表現サークル“P.Name”団体企画にて配布した冊子、会誌「P.ink」学祭号に掲載した一本です。

拙著でございますが、是非。

深夜三時、スマホを投げた。飛び跳ねるほどに嬉しかった。相思相愛などという言葉では陳腐である。この瞬間に、新たに完成されたこの関係を、オレはつい肯定したくさえなった。オレはどうしても美化したくなどはないオレたちの歴史から、どうしても逃れられないことを悟ったのである。

オレは今も、逃れられないでいる。

その日と同じベッドでうずくまるたび、ほのかに燃える何かを、オレはここまで連れてきたのである。


0コメント

  • 1000 / 1000